ロン&デレク/ブラック&ホワイト
今回はロン&デレクという兄弟デュオのアルバムを紹介します。
アップルからは「ブラザー」というアルバム1枚を残しただけでしたが、そのアルバムもかなり地味な印象のジャケットとともに
内容も今ひとつで、これでは売れなくても仕方がないという感じでした。
でも、アルバム「ブラザー」はスルメのように何度も聴いてみるとけっこう味のあるアルバムではありましたが、
たぶんほとんどの人は1回、あるいは多くても数回聴いただけでレコード棚の中で冬眠させてしまったのではないでしょうか。
また、残念ながら「ブラザー」は90年代のアップル・リイシューでもカタログ化されることはありませんでした。
しかし、そんな中でロン&デレクの二人は素晴しい傑作を作り出しました。
通販のみの取り扱いで一般の店頭に並ばなかったため、国内ではいくつかの通販ショップが扱っただけでしたが
このアルバムが一般ルートで発売されなかったのが不思議なくらいの完成度の高い作品です。
2006.6.23 | ||||||||||||||||||
US盤CD | 1988年発売 | |||||||||||||||||
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アップル時代の「ブラザー」と同様になぜか白黒の比較的地味なジャケット。 しかし、ロン&デレクの「ブラザー」に限らず、アップル作品のジャケットは「エレファンツ・メモリー」や「ドリス・トロイ」など どう見てもジャケ買いはされないというか、どちらかというと買った時点で「しまった〜!」と思ってしまうような 魅力の無いジャケットが多すぎたと思います。 でも今回のアルバムは「ブラザー」と同じ白黒で比較的地味なジャケットでありますが、サンタさんから素敵なプレゼントを もらった子ども時代の写真を使ったデザインが、アップル時代のジャケットより数段いい仕上がりになっていると思います。 |
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しかし、この二人は歌がバツグンに上手い。 ロン&デレクは色々なアーティストのレコーディングでバック・コーラスとして参加していますが、 日本でいうと、爽やかなコーラスを聴かせてくれる「バズ」みたいな感じなのでしょうか? |
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アルバム・タイトル通りに隅から隅まで、白黒(プラス赤)ですね。 |
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一時期ウイングスにも参加していたデニー・シーウェルも参加しています。 長い間、顔を見ていない人って、久しぶりに見ると全然分かりませんね(笑) |
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上の写真は来日コンサートの時のものです。 左からKlaus,Derek,unknown,Lon and Jim Keltnerと紹介されています。 もちろん、unknownの人は日本人なら誰もが知っているあの人、Rock&Roll Yuya Uchidaですね。 |
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このアルバムの素晴しさのひとつに音質の良さがあります。 現在のような24ビットなどが採用されていない通常のCDでありながら、かなりボリュームを上げて聴いても疲れず オーディオ・マニア的にもかなり楽しめる音質です。 録音時期やスタジオが違うのかもしれませんが一部、音質面でバラつきがありますが、 そんな些細な部分がかえって気になるくらいのハイ・クオリティーです。 でも実際には内容が素晴しいので、そんな事はほとんど気になりません。 アルバムのスタートはアップル時代のアルバム「ブラザー」のラジオ・スポットCMでリンゴがナレーションを務めています。 ちょうど1分間のCMですが「ブラザー」の収録曲のサワリをうまくダイジェストで紹介していて、 私はこのCMを聴いたことがきっかけで改めて「ブラザー」の魅力を知ったような次第です。 バッドフィンガーの「アップル・オブ・マイ・アイ」やビートルズの「ゲッティング・ベター」のカバー、 ロン&デレクがアップルに持ち込んだデモ・テープの「スウィート・ミュージック」、 「平和を我等に」のメロディを使った「イマジン・ア・ベター・ワールド」など多彩な傾向の曲を収録しています。 リンゴは「マイ・ワールド・イズ・エンプティー」「ゲット・ハッピー」「ホールド・オン」の3曲にドラムで参加しています。 このアルバム、じつは私の大のお気に入りで、今でも年に数回は必ず聴きたくなります。 ビートルズ以外のアルバムとしては一番聴いているかもしれません。 もちろん、無人島に持っていくCDを選ぶとしたら、これは絶対に外せません。 曲の良さ、二人の歌声の上手さ、オーディオ的にも聴いていて楽しめる音質と三拍子そろって文句なしです。 皆さんも騙されたと思って一度聴いてみてください。 |
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