ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実



この本の魅力は(当たり前のことですが)読んでもらわないことには分からないので、それを紹介するというのは邪道かもしれません。
それは、ビートルズの曲を聴いたことがない人に曲の魅力だけを説明するようなものだからです。

ということで、ここではそのエピソードなどの一部のみを紹介しますので、あとはご自身でぜひ読んでください。

日本版の最後には杉 真理ら4人の対談が載っているので、買おうかどうか迷っている人は
これを読めば本書の全体像は大体つかめます。

2007.2.6




ジェフ・エメリック


プロデューサーやエンジニアが楽器や曲作りにそれほど興味が無いのと同じようにビートルズの連中も
スタジオのモニター・ルームにいるこちらの人間のことなんか何とも思っていないのさ。


6歳の時に祖母の家で見つけたクラシックとオペラのレコードに一喜一憂した少年は、
13歳の頃には自分でテープレコーダーを購入してカミソリを使ったテープ編集までしていた。

15歳でEMIでアシスタント・エンジニアの職に就いたジェフはすでに「ラヴ・ミー・ドゥー」のレコーディング現場にいたというから驚きである。
彼の目から見たその時々のビートルズの4人の関係や心理状態までの描写はリアルでまさに自分自身がその場にいるような錯覚に陥ってしまいます。


■「トゥモロー・ネバー・ノウズ」の録音でジョンは「向こうの山の上からダライ・ラマが歌っているような音にして欲しい」と要求した。

■「ラヴ・ミー・ドゥー」でセッション・ドラマーと交代させられたリンゴの様子は。

■「シー・ラヴス・ユー」で迫力のあるドラム音を録音したその方法は。



■「キャント・バイ・ミー・ラヴ」のハイハットの音はビートルズのメンバー以外の人物が叩いたものに一部差し替えられた。
  (注:本書には書かれていませんが、差し替えられたのはモノ・ヴァージョンのみのようです)

■有名な宝石ジャラジャラ発言、ジョンは「拍手の代わりに宝石をジャラジャラ鳴らせ」と言ってやるつもりだとポールに耳打ちしていた。

■「レイン」の逆回転サウンドはジョンの機械オンチから生まれた。

■「イエロー・サブマリン」のブラス・ソロは既存のレコードから使えそうな演奏を拝借していた。

■家具屋からEMIスタジオに運び込まれた(録音には何の関係も無い)異様なもの。

■ジョンはメカニックにはまったく無知なのだが、機材にはやたらと興味を持っていた。

■ポールはジョージよりも上手いギター・テクニックを持っていたので上手く弾けないジョージにイラついていた。

■ジョージはジョンとポールから年下であるということに加えて作詞・作曲の面でもほとんど相手にされていなかった。

■「ヒア・カムズ・ザ・サン」のアレンジについてポールからアドバイスされた時、ジョージは「誰もそんな事は聞いていないよ」とはねつけた。

■ヨーコにビスケットを食べられたジョージは「あのクソ女!」と激怒した。


■「ヘイ・ジュード」でピアノのミスをしたポールの「クソッ」という声がそのまま残された。

■ジョンが「この曲はどう思う?」とヨーコに聞いたところ、ヨーコの批評めいたコメントにコントロール・ルームは水を打ったように静まった。

■「アビイ・ロード」のジャケット写真はEMIスタジオに嫌気がさしていたため、あえてスタジオから遠ざかっていく写真を選んだのかもしれない。

■演奏ミスや歌詞の間違いはわざと残された。

■「レディ・マドンナ」のプロモ・ビデオに「ヘイ・ブルドッグ」の演奏シーンが使われた理由。




本書を読んだあとは今まで聴き馴染んでいたビートルズの曲がさらに楽しんで聴けることは間違いありません。



「シー・ラヴス・ユー」のハイハットの音質が変わる部分は個人的にはテープ編集が原因だと思っているのですが
それについての記述がなかったのは、ちょっと残念でした。

いつの日か、ぜひ続編が出版されることを期待します。もちろんジェフの記憶が薄れていかないうちに・・・


この本を読んでいるとその場面に応じた音源が聴きたくなるので、これから読もうという方は
ぜひ手元にビートルズのCDを用意しておいて、聴きながら読むことをお勧めします。


用意するCDは
オリジナルの15枚、
「アンソロジー・シリーズ」3枚、

以上に加えて次のものがあればベストです。
ペイパーバック・ライター(CDシングル又はシングル盤)モノラル収録
リボルバー(モノラルLP)
サージェント・ペパーズ(モノラルLP)









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「ビートルズ・サウンドの真実」という事で、海賊盤もあればより楽しめるかも・・・。













音源はすべてモノラルですが音質は素晴しいです。


「愛こそはすべて」
映画に使われたエンディング部分でリフが1回多いバージョン。
フェード・アウトなしで最後まで収録しています。


「サージェント・ペパーズ」
聴衆のざわめきや拍手の効果音のみが聴ける。


「サージェント・ペパーズ(リプライズ)」
動物の鳴き声の効果音のみが聴ける。







こちらは上記の「マスター・ディスク盤」にボーナス・トラックを追加したもの。

「イエロー・サブマリン」風のイラストが少々悪趣味?







スタジオの雰囲気を少しだけ・・・ということで紹介します。

内容的には興味深い部分もありますが、現在のレベルで考えると音質面で少々劣るので、あくまで「お好きな方はどうぞ」という程度のものですが。


プレイバック・ワン:1962−1967





プレイバック・ツー:1968−1970





この2枚セットは合計8枚で収録時間も1枚あたり約70分という大作になっていますが、
音源そのものはすでに他の海賊盤でもっと高音質で聴けるものがほとんどのようです。

モニター・ミックスと書かれているようにスタジオのモニター・スピーカーから出てきた音を録音した音源のようで
ミキサー卓のボリュームを上げ下げしたり、テープを巻き戻したりするキュルキュルという音、ミキサー卓の周りでしゃべっている関係者の会話なども
そのまま収録されているので英語に堪能な方はけっこう楽しめるかもしれません。(残念ながら私は楽しめません)
「ゲット・バック」のプレイバックに合わせて歌っているポールの声なども入っています。

音質面ではいったんスピーカーから出た音を拾っているため、それほど良いものではありません。
しかし、なぜプレイバックしている時のスタジオの様子が録音として残されていたのか不思議です。

「レボリューション」のプレイバックが流れる中で延々と喋っているヨーコの話の内容(私には分かりませんが)も気になります。





             

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