アメリカ盤「イエスタデイ・アンド・トゥデイ」

US LP ”Yesterday and Today




2010.03.03
66年6月発売のこのアルバムではキャピトルからの要請により製作中のアルバム「リボルバー」(同年8月発売)から
「アイム・オンリー・スリーピング」、「ドクター・ロバート」、「アンド・ユア・バード・キャン・シング」の3曲を
イギリス本国より早くリリースしたが、これら3曲はモノラル・マスターが届けられたためにステレオ盤には
擬似ステレオとして収録している。

そこで、プレス時期の違いによるこれら3曲の収録音源の違いについて検証してみた(ただし、ステレオ盤のみの検証)。






(レインボー・レーベル)








ジャケットに”GOLD RECORD AWARD”の丸いロゴ・マークが入った。 



(グリーン・レーベル)








ジャケットは上記盤と同一のため省略
(アップル・レーベル)
ここまでのタイプは3曲ともすべて擬似ステレオで収録されている。








ジャケットは大きな1枚のケント紙のようなものに印刷されて、それを折り曲げて組み立てられている。



(オレンジ・レーベル)
オレンジ・レーベル盤では擬似ステレオだった3曲がステレオに差し替えられている。








ジャケットは上記盤と同一の仕様なので省略。
(パープル・レーベル)
パープル・レーベル盤では3曲が擬似ステレオに戻ってしまった。



レーベル・デザインに合わせたパープル・カラーのビニール製内袋。





ジャケットは上記盤と同じ仕様のため省略。
(ニュー・レインボー・レーベルのステレオ収録盤)

ニュー・レインボー・レーベル盤にはステレオとモノラルの2種類が存在する。

ステレオ盤の特徴
  「アイム・オンリー・スリーピング」「ドクター・ロバート」の2曲がステレオに差し替えられているが、
  なぜか「アンド・ユア・バード・キャン・シング」は擬似ステレオ。
  A面のマトリクスは手書き、B面は機械打ち。
  レコード盤の厚みは次に紹介するモノラル・プレス盤よりも厚い。



(ニュー・レインボー・レーベルのモノラル収録盤)

モノラル盤の特徴
  レコード盤の厚みが上記のステレオ盤に比べて薄い。マトリクスは両面とも手書き。
  このモノラル盤ではマスター・テープの編集ミスだと思われるが、
  「イエスタデイ」と「アクト・ナチュラリー」の曲間が極端に短くコンマ数秒である(レコード盤の1/4回転分ほど)。 
  上記のステレオ・プレス盤と比べるとレーベル部のプレス形状が異なるので生産工場が異なっていると思われる。
  「ドクター・ロバート」では演奏終了後にエンジニア?の「O.K. Fab」という声が聴こえるが、
  ステレオ盤に収録の擬似ステレオ・バージョンでは(同じモノラル・バージョンを使っているはずだが)この声は聴こえない。


この2枚に関してはジャケットはまったく同じ作りのためシールドの場合は外観から区別はできないが、
開封済みであれば一番簡単な見分け方はレコード溝の刻んでない部分(ラン・オフ・エリア)を見れば一発で分かる。

モノラル盤はもともと溝の幅をそれほど広く取る必要が無いので収録曲の少ないB面のレーベルに近い部分を見ると
溝の刻まれていない部分がかなり広くなっている。








レコード番号が変更されてC1−90447となった。
それに伴ってジャケットから”GOLD RECORD AWARD”の丸いロゴ・マークが無くなり
裏のロゴ・マークなども一部変更されている。



このレコードはニュー・レインボー・レーベルのモノラル収録盤と同じスタンパーでプレスされているため
モノラル収録されている。

キャピトル編集盤シリーズとしてはアナログ盤では最後のリリースとなったのがレコード番号がC1から始まるタイプ。
このC1規格は日本国内でもごく短期間しか出回らなかったうえに、すでにCD時代に突入していた事から
ほとんど売れていない(プレス枚数も少ない?)と思われる。
レーベルはパープル・キャピトルだが以前のパープル・キャピトル・レーベルと比べるとキャピトル・ロゴが小さくなっている。

これも間違ってモノラルでプレスされているが、マトリクスを見るとニュー・レインボー盤と同じものに
さらに細かい数字が手書きでいっぱい書き加えられている。
プレス枚数は少ないと予想されるが、そうするとステレオ盤自体が出ていない可能性が高いかもしれないので
C1規格盤であればモノラル盤という確率が高いかもしれない。

これも「イエスタデイ」と「アクト・ナチュラリー」の曲間は極端に短い。





 今回の内容はブログ記事から転載したものに写真を追加した。


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